第2章 土曜日
中に入ると、遊園地は色とりどりの遊具で溢れかえっていた。
思ったよりも人でごった返していて、客層はほとんど小学生以下のちびっ子とその親。
「わぁーっ、子供がいっぱい!」
「子供好きなの?」
「好きですよー。」
美咲は「あの子可愛い!」などと目を輝かせて子供を見つめる。
俺からしたら、まだ世の中の事など何も知らないだろう無邪気な子供は、逆に眩しく見えるんだけどな。
「大貴さんは子供好き?」
「俺は・・・自分の子供は溺愛するだろうな。」
未来の子供に思いを馳せると、美咲はふふふっと微笑んだ。
「何?」
「大貴さんの子供かー、と思って。」
「そんなにおかしい?」
「おかしくは無いんですけど、なんて言うか、大貴さんにもいつか家族が出来るんだなーって。」
そう思ったらくすぐったくなっちゃいました。美咲はまたくすくす笑う。
・・・家族か。
俺の心の支えになるだろう家族は、いつになったら出来るだろうか?
「まぁ俺達は、ちびっ子には言えないような関係だけどね。」
「こらっ!言うな!」
しーっと人差し指を上げる美咲は、子供に負けないぐらい無邪気だった。