第2章 土曜日
「おはようございまーす・・・。」
結局美咲が起きたのは10時過ぎだった。
「おそよう。」
相変わらずよく寝る子だ。社会人になっても朝が弱いのは変わってないんだな。
低血圧らしい美咲は、それでもなおベッドから下りようとしない。
「よく寝たね。お疲れだったのかな?」
「誰かさんのせいでね。」
おっ、なかなか言うようになったな。
「俺は早く起きれたけどなぁ?」
美咲は睨んで来たけれど、ぼさぼさの寝癖頭に重い瞼ではちっとも怖くない。
・・・仕方ないなぁ。俺はベッドに腰掛けて美咲と向き合う。
美咲はまだ眠そうな目で俺を睨み上げる。だから怖くないってば。
ご機嫌斜めのお姫様に、俺はそのままおはようのキスをしてあげた。
頭を撫でてあげると、ご機嫌はあっという間に直ったようだ。
「美咲の準備が出来たら行こうか。途中でお昼ご飯にしよう。」
「はーい。」
美咲はおはようのハグで返すと、軽い足取りで顔を洗いに行ってしまった。