第1章 金曜日
「明日はどうします?」
腕枕で微睡んでいた美咲が、ふと楽しそうな声を上げた。
「あー・・・どうしようか?」
どこかへデートに行きたい。俺の我侭。
公には出来ない関係の俺達は、いつもどちらかの家でだけ会っていた。
それが寂しくて、俺も外で堂々とデートというものをしてみたくて・・・。
「どこに連れて行ってくれるんですか?」
美咲はキラキラした目で俺にしがみついてきた。
連れて行くと言うより、我侭に付いて来てもらう形なんだけどな。
そんな卑屈な考えは止めようと、俺は明日に思いを馳せる。
「遊園地はどう?」
「うわぁ!デートっぽい!」
美咲はきゃいきゃいとテンションを上げる。
そりゃそうだ。デートっぽいところをセレクトしたんだから。