第1章 金曜日
指を出し入れすると、中は嬉しそうにうごめき出した。
もういいかとキスを止める。途端に美咲の喘ぎ声が耳をくすぐった。
「あっ・・・大貴さん・・・!」
何か言いたげに頭を撫でられた。もうちょっといじめたいところだけれど、大人しく指を抜いて上げる。
「どうしたの?」
「あの・・・。」
視線を逸らして落ち着きの無い美咲。こういう時は恥ずかしがってる証拠。
大丈夫だよ。急かさず笑顔で待ってあげる。
ふと背中に回されていた手が、俺の両頬を優しく包んだ。
そのまま、ちょっと乱暴なキス。
「そういう事されたら欲しくなっちゃう・・・。」
それだけ言うと、美咲はぷいっと顔を背けてしまった。
いつの間にそんな可愛い仕草を覚えてしまったんだ?
俺は呆れにも似た気持ちで美咲に貪るようなキスを返す。
新たなツボが出来てしまった。それもこれも美咲のせいだ。
美咲はまさに・・・そう、弱点。
俺に恋人が出来たとしても、俺は美咲を今と変わらず愛し続けるだろう。
それは俺にも未来の恋人にも、ましてや美咲にもどうしようもない。