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【文豪ストレイドッグス】蒼天の嗤う頃に

第1章 新たな伝説の始まり


「却説、二人とも揃ったようだね」

「あ?……………だっけか」

「中原幹部。お久しぶりです」

幹部就任以来、顔を合わせていなかった二人は首領の前に長いテーブルを挟んで並ぶ。

「二人に頼みたいことがあってだね」

森の鋭い眼光が二人に向けられる。

それだけで部屋の空気が緊張し、は固唾を呑む。

「二人に、同居して欲しい」

部屋に沈黙が落ちる。

そして、招集された幹部二人は首領を凝視して声を上げる。

「い、今なんと」

「俺と此奴で同居ってことですか?」

「そうだよ。二人には相棒になって貰いたくてねぇ。かつての太宰くんと中也くんのように」

それはポートマフィア誰もが知っている話。

太宰治が失踪する以前、中原中也と太宰治は相棒であり、〝双黒〟と呼ばれあらゆる敵を葬ってきた。

「そうだね………君らは二人とも目が蒼い。名付けて〝蒼天〟なんてどうかね?」

「待って下さい、相棒になるのは兎も角………何故同居する必要があるのですか」

「ふむ………相棒として、親睦を深める為では不足かね?」

「十分ですが」

「なら善いではないか」

首領が近くに居るボディーガードに目配せをするとボディーガードは、私たちに小さな紙切れを渡してくる。

「それが住所だ。明日から、其処で生活して貰うよ。」

「しかし」

「用件は伝えたよ。下がり給え」

「____失礼致します」

「失礼、しました」

下がり給え、と発した首領に何を言っても無駄だと云うのは幹部である二人はよく知っていた。
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