第3章 自覚と嫉妬
大きなベッドが軋む。
今度は、中也から接吻をしてくる。
「ん」
触れるだけのものだと思っていたのに、微妙にあいた唇の隙間から舌が侵入してくる。
その舌は歯茎をなぞったり、執拗に私の舌に絡めてきたりする。
いやらしい水音と私の喘ぎ、どちらのかは最早わからない吐息。
これが俗に言う、酔った勢いでというやつか。
お腹の奥がキュンキュンして。
頭がアルコールと中也に酔って真っ白になっていく。
その最中、熱が全身に伝わっていくのを感じた。
どちらともなく、唇が離されると銀色の糸が私と中也を結ぶ。
「手前ェ………なんつう顔してんだ」
「んぅ…………」
互いに荒い呼吸。
「____中也」
「呼ぶな。俺は今日はソファで寝る。」
「待ってよ」
声を掛けると中也は振り返らずに言い放つ。
「これ以上やったら止まんなくなる。俺はを傷付けたくねェ」
去りゆく中也を白い頭で眺め、唐突に襲ってきた睡魔に身を委ねて眠りに着いた。