第3章 自覚と嫉妬
中也とワインを飲み、昼にパフェを食べに行くという話になった。
ワインをグラス二杯分飲み、もう一杯と思ったところで中也に止められる。
「おい手前ェ。もう止めとけ、顔が赤いぞ」
「ん…………確かに熱いからやめる………」
ワインボトルに伸ばしかけていた手を引っ込め、立ち上がる。
「私ねる………」
寝室に足を運ぼうとするも、足元がフラフラと覚束無い。
テーブルに手を着く。
「大丈夫か?」
「んー……」
「ッたく……………」
背中と膝の裏に手が回され、身体が宙を浮く。
いわゆる、お姫様抱っこ____。
「中也すごーい」
「暴れんなよ」
中也は丁寧に私をベッドの上に下ろしてくれる。
「歯磨いてくる」
そう言って、離れようとする中也の袖を反射的に掴んでしまう。
「んァ?」
「行かないで」
本音が溢れてしまう。
「すぐ戻るよ」
「やだ」
グイッと中也の袖を強く引っ張る。
すると中也はバランスを崩して、私の上に倒れ込んでくる。
「なんだよ、どうした?」
「ちゅうや」
アルコールに侵された頭では上手く思考を回すことが出来ない。
「離れないで」
「____」
驚いたように目を見開いて固まる中也の後頭部に手を回す。
そのまま、何を思ったか中也の頬に接吻をする。
「すき」
「手前ェ………自分が何したかわかってんのか」