第2章 任務
「そういうことだから、今すぐ街に出るぞ。手洗いとか大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
騒がれないように、裏口から本部を出て横浜の街に出る。
結構エリス嬢への贈呈品を買いに行くことも多いので、店の場所は必然的に覚えるし常連扱いはされるしで色々要らないものも身についてしまう。
まず、その店の中でも最も近い店舗に入る。
幼児向けのちょっぴり高級な履き物を扱っている店舗だ。
レジカウンターにいた店員が満面の営業スマイルで寄ってくる。
「これはこれは、中也さまにさま。本日はどうなさいますか?」
「前回の来店から今までに入荷した靴全部くれ」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
駆け足で店の奥に姿を消していく。
少しして、一人だった店員が五人に増え両手に箱を積み上げながら戻ってきた。
「お二人のためにちゃんと在庫残しておいたんですよ」
と営業スマイルではない笑顔でいう店員。
「これで全部ですか?」
「はい。いつも通り、紙袋に御まとめします」
一人がレジ打ちに徹している間に、他四人が紙袋に箱を詰め込む。
見慣れた光景だが、初めて見た時はかなり吃驚した。
「ありがとうございます」
紙袋を手渡された際にそう口にして、会計中の中也を待つ。
この時点で大きな紙袋が四つ。
全部回りきれるのだろうか。いつもの二倍の店舗数はまわらないといけない。
「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」
五人の店員に見送られながら、次の店舗へ。
服の店、服の店、玩具の店、アクセサリーの店と行き、私たちは両腕両手を存分に使い紙袋を持ち近くの公園までやって来た。
ベンチに紙袋を全て置き、手をぷらぷらとする。