第2章 任務
「首領、失礼します」
「入り給え。」
という声がしたのを確認してから、扉を開け、中に入る。
扉を閉めようとした時、急にエリス嬢に抱き締められる。
「エリス嬢?」
「それ、リンタロウがあげた服?」
「そうですよ、エリス嬢」
「着てくれているのかい。嬉しいねぇ」
「まともな服をあまり持ってないので。重宝させて頂きます」
「そうかい、して、任務の方は?」
首領の問いに中也が前に出て答える。
「無事遂行しました。この後すぐ報告書を作成」
「いや、報告書はいい。中也君、ちょっと」
と首領が手招きをし、中也は首領の近くまで行く。
首領は中也に耳打ちをし、財布と紙切れを渡す。
「では頼んだよ」
「はい、お任せ下さい」
扉をそっと閉め、部屋をあとにする。
「中也、何頼まれたの?お使い?」
「あぁ。エリス嬢の、誕生日が近いそうだからその贈呈品」
紙切れをみると、ブランド名と商品がビッシリと綴られていた。
相変わらずだな、と苦笑する。