第2章 任務
「標的は一介の下級構成員の集まりだが…………一人、異能力が居るらしい。気を付けろよ」
「把握した」
私は今、黒いフリルのついたワンピースに緋のリボンとレースがあしらわれたものを着ているのだが。
予想以上にフリルが邪魔で失敗したな、と思う。
これは記念すべき三着目の服で首領から貰ったものだ。
黒が基調とされているから問題ないと思ったのだが…
「着いた。準備はいいか」
中也は手をノブに掛けて聞いてくる。
私は懐からナイフを取り出し、自分の頬を軽く掻っ切る。
「いいよ」
中也がドアを開けると共に私たちは飛び出す。
「な、なんだお前たちは!」
と叫ぶ構成員を中也は容赦なく散らす。
中也は左側、私は右側に散ってそれぞれ敵を倒す作戦。
「kill…………」
私の頬から出た血を操り、ナイフを形作りまず一人。
その一人を切り刻み、出血させその血も操る。
また一人、二人、三人と人数が増えていくごとに殺傷能力は増していく。
粗方片付いたところで、視界の端に何か青いものがうつり素早く後退する。
「異能力かな」
異能力保持者と思われる奴は、自分の周りに水を浮かばせている。
中也の方をみると向こうの方が人数が多いようでまだ、戦っていた。
じゃあ、私一人でやるしかないか。