【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第5章 尾形さん2
何だか変な気分だ。
「……ぁ、っ、……!」
真の暗闇の中で、原初の自然の音を聞きながら、向き合って座り、互いの身体に触れている。
もちろん、ほとんど見えないので互いに互いの身体を手探りする。
闇への本能的な警戒感から、言葉は極力交わさない。
それでも頭を抱かれ、強く口づけられる。
着物をはだけられ、むき出しの柔らかな胸をまさぐられ、熱を帯びた下腹部を大きな手が下へ這う。
もうそこは愛液に濡れていた。
「……っ!……ぁ、ゃぁ……!」
しばらく、ぐちゅぐちゅになるまでかき回され、腕にしがみついて耐える様を楽しまれた。
私はほとんど流されるままだけど、責めがやんだ頃、どうにか手を伸ばし軍服のボタンを外した。
シャツの下の精悍(せいかん)な身体に触れる。
やっぱ腹筋すごいなあ〜と思いながら撫でる。
するとくすぐったかったのか、手首をつかまれた。
何をさせられるのかと思ったら……上を向いたご立派なモノをつかまされた。
「……っ!」
無理やりに握らされ、強制的に手を上下させられる。
何か……変な気分。早く、入れてほしい。
自由な方の手が勝手に動く。
恐る恐る触れたアソコを、指でこっそり愛撫した。
何だか、背徳的なことをしてる気分だった。
闇を恐れ厳粛に朝を待ち望むべき状況なのに、ひたすらに欲望に耽溺している。
自分たちが自然の一部になった錯覚さえ覚える。
「……っ!」
あ。こっそり自慰してるのが多分バレたな。
愛液で濡れた手をつかまれた。イタズラの仕置きと言わんばかりに、山猫に手首を軽く噛まれる。
そして、やんわりと頭をつかまれた。
「……っ!?」
頭をぐいぐい押されたので、何をさせられるかと思ったが――察した。
仕方なく、敵の前に這いつくばるような格好になり……屹立した雄を口に咥える。
しゃぶってほしいなら一言言えや。
もしかして、尾形さんも何だかんだで大自然の営みにハマったのでは……。
うわ、頭押さないでよ。やってあげるから。
私もルールに忠実に一言もしゃべらない。口を圧迫するサイズの雄を懸命にしゃぶり、舌先で舐め、手で握って上下する。
敵は時折息を荒くしながらも、私の髪や頬を撫でた。
暗闇の中に、唾液と先走りの液が絡む、いやらしい音が響いていた。