【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第4章 月島軍曹1
浴衣の上から、胸に性急な愛撫が加えられている。
だがそれよりも。
「…………」
当たってる。股間に硬いモノが超当たってる。
私にキスをしながら、浴衣の前を割るように、下着の上から直に刺激してくる。
そのまま入ってくるんじゃないかって勢いで、生温かくて硬いモノがグリグリと割れ目をこじ開けようとする。
……困った。どうしよう。
ふすま隔てた向こうの部屋では、鯉登少尉のいびきが聞こえる。
大声出して鯉登少尉に助けてもらうか。
月島軍曹は立場を失うだろうが、まあ寛大な心で五、六発ぶん殴って忘れてあげよう。
私は大声を出すべくスッと息を吸っ――手で口をふさがれた!!
「すみません……決して……ひどくは、しませんから……」
いやそれ、犯罪行為の言い訳にならないでしょう。
ツッコミを入れようかとも思ったけど、するっと浴衣の帯を外され、胸もとをあらわにされる。
「……っ!」
包むように乳房に触れられ、軽く力をこめられる。
その瞬間にビリッと、身体を熱が走った。
「ん……んっ……」
勝手に身体がうずく。
下半身にすりつけられるモノが気持ち良くて、自分から刺激を求めるように腰を動かした。
月島さんが私の反応に、かすかに目を見開いていた。
「……っ……」
口が解放されたけど、もう大声を出す気になれなかった。
月島さんは、私が身体を動かしているのを見て、見るからに安堵した様子だった。
胸により丁寧な愛撫がくわえられ、そっと舌先で先端を刺激され、ピリッとした快感が走った。
反応してる。もうバレてる。
別に、嫌じゃない。
「優しくして下さいね……」
気がつくと媚びたような言葉が出ていた。
「……! ええ、ええ、もちろんです……っ」
『まあ、いいか』
ひどく冷めた目で、この事態を傍観している自分がいるのだ。
抱きしめてくれるなら誰でもいい、みたいな。
「梢さん……」
もう一度、キスをされた。
そして浴衣の帯がほどかれ、下着一枚の身体があらわにされる。
でも私は自分から月島さんを抱きしめ、キスをねだった。
その手を取られ、本当に愛し合う恋人達のように、私たちは唇を重ねた。
遠くで山猫が嘲笑している気がした。