【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第3章 ラッコ鍋(尾形編)
バサッとシャツが畳の上に放られ、私はつい尾形さんをまじまじと見る。
……やっぱりガタイの良さが半端ないなあ。当たり前に腹筋割れてるし。
さすが戦場帰りの現役軍人。カッコいいなあ。
下衣を緩めてた尾形さんは、じーっと見る私に気づくとフッと笑う。
「そんなに見るなよ。惚れ直したか?」
いや前髪かき上げるなよ!
惚れるも何も私たち、単なる茶飲み友達じゃん!
恋人同士でも何でもないじゃん!
……何で寝る展開になってんだろう。未だに謎だ。
「梢」
「お、尾形、さん……」
でも改めてたくましい腕に抱きすくめられると、心臓が爆発しそうになるのであった。
…………
この鬼がっ!
×分後。謎の空気に流されたことを後悔しても、今さら遅かった。
「……ん…っ……や、だ、だめ……」
「ほら、止めてるだろう。もっと力抜け。泣くな」
私の足首をつかむ男は確かに腰を動かしてない。ただ体内の異物感はいかんともしがたい。
「そうは言われましても~」
止めてくれたことで一応の痛みは消えたが、私は情けなく涙目で、自分を組み敷く巨悪を見上げた。
今は挿入段階なのだが、何だかんだで初めてだ。多少解した程度で、本番の痛みまではどうにかなってくれなかった。
「尾形さ〜ん」
「だから泣くなよ。俺がおまえを犯してるみたいじゃねえか」
「…………うーん」
「否定しろよ」
「いやあ……」
「本当に犯すぞ?」
前髪をかきあげ、凶暴に仰る。
「…………」
怖い目に見下ろされドキッとした。
慌てて視線をそらすが、たった今見た蔑むような目が頭から離れない。
「…………梢」
「あ、もう再会して大丈夫です」
「梢~?」
山猫がにんまり笑っている。
「尾形さん近い近い……ひっ」
緩やかに腰を進められ、身体が違和感を訴える。
でもさっきよりは痛くなかった。
何でかというと、
「何でまた濡れてきてんだよ。もしかして、いじめられるのが好きなのか?」
「なワケないでしょう! 人を変態扱いするなんて…ぁ、……ゃ、あ…!」
笑ってる。マジ怖い。
「そうかそうか。気が合いそうだな」
合うんすか。
「……ぁ、や……」
でも緩慢ながら、硬いモノを奥へ奥へ押し込まれツッコミが難しくなった。