【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第8章 第七師団
暑い。北国といえど季節は暖かくなってきてる。
私の両耳に手を当て、うめきながら頭を動かさせる人と、充満する匂い。
「……梢……」
時折、苦しそうに名前を呼ばれる。限界だけど、まだ味わっていたいという感じに。
私の方は必死に口と舌を動かし、生温くて苦い先走りを舐める。淫猥な音が響き、ランプの炎が二人の影を揺らす。
やっぱり暑い。口がギチギチして苦しい。息も苦しい。
でも、そういうのもやっぱり、どこか嫌いでは――。
「梢……っ……!」
「……っ!!」
あかん。間に合わなかった。瞬間、口の中に出され、生温くて苦いものが広がる。
「げほ……ごほっ」
口を離してむせていると、
「す、すまん。水を飲め」
慌てたように水飲みを渡される。ぐいーっと一気飲みして、やっと人心地ついた。
「梢。大丈夫か?」
鯉登少尉が息を整えながら、背中を撫でてくれた。だが私は、
「ええ。大丈夫です。それでは宿舎にお戻り下さい、音之進様。おやすみなさいませまた明日」
「待て待て待て!」
布団をガバッとかぶって寝ようとしたが、潜り込まれた。
「おまえ、私に恥をかかせるつもりか」
「いやどういう恥っすか。ともかくコレで気は済んだでしょ?
賢者モードに入ってそそくさと服を着て気まずそうに去っていただいて構いませんよ?」
「けんじゃ……? いや意味が分からんぞ、梢」
知るか。さっきより慣れた調子で胸を揉んでくるな。まっぱの下半身を擦りつけてくるな。
「そうつれない態度を取るな、梢。
少しは私にも格好をつけさせろ」
うわ、下半身の復活早いな。もう硬くなってきてる。
背後から胸やら何やらを愛撫し、首筋や背を舐めてくる。
くっそ。『一回抜いて正気に戻らせとっとと追い出す』という私の完璧すぎる作戦が!
「……っ……ん……っ」
反応するな冷静でいろ、このまま帰らせろと思うのだけど――。
秘部を弄る音に、くちゅくちゅと濡れた音が混じり始める。
「っ……」
背後から抱きかかえられたまま、起き上がらされ、ふわっと掛け布が木の床に落ちる。
揺れる影の中に、胸を愛撫され、反応させてる浅ましい自分が見えた。