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【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】

第8章 第七師団



 ……み、見られた。今、見られた! 鯉登少尉に!
 明らかに『初めてではない慣れっぷり』で平然と月島さんと寝ようとしてる感じなとこを!!

 ああああれだけ私を妹みたいに可愛がってくれて、気にかけてくれた人なのに!
 私が『没落した元華族』みたいな扱いになっても、以前と一切変わること無く接してくれた人なのに!!

 い、胃がキュッと!! 言語化すると罪悪感三倍増しなんすけど!!

「あ、あの月島さん……い、今、そこに、人が……その……」
 しらふに戻り、恐る恐る扉を指したんだが、

「幽霊でも見たんですか? 怖かったですね」
 私を仰向けに抱き直し、よしよしと頭を撫でてくれる。
 ……マジなのか演技なのか。

「梢さん……」

 少々ヤバい本音を曝露してスッキリしたのか、月島さんは澄み切った――というか開き直った笑顔であった。
 
「あなたが誰の物になっても俺は構わない。だがどうか、幸せになってほしい」
「…………」

 しかし何だ。口づけされながら思うンだけど、さっきから下半身がむずむずする。
 お忘れかもしれないが、私はお預け食らった状態なのである。
 ……月島さんの闇とか過去とか、どうでもいいか。

 相手のペースでコトを運ばれることにも腹立って、月島さんの襟元をつかみ、グイッと引き寄せ唇を重ねる。
「…………!」
 驚いたように目を見開いた月島さんであるが、すぐ目元を和らげ、
「可愛い人だ」
 そう言って笑ったのであった。



「……ん……っ……ん……っ」
 窓から月光が差し込む中、声を殺しながらベッドの上で悶える。

「つき、しま、さ……」

 私は仰向けで、枕つかんで必死に懇願するのだが。
 中腰の軍曹殿は、
「待って下さい、もう少しだけ……」
 ううう。真顔でズブズブと指を埋めやがって。
 ていうかその真顔止めろ!! 私だけが乱れてて、軍曹は仕方なくつきあってる人みたいじゃないか!!
「……っ……ぁ……!」
 だから! 指! 増やさないでってば!!
 刺激だけでイッたらどうしてくれる。
「……っ!……」
 中でクイッと指を曲げられ、刺激にのけぞる。
「~~~~っ!」
 人が苦手なとこ、わざといじめてきて!!

 涙目で見上げると、鬼軍曹がフッと笑うのが見えた。 
 
 ……人の醜態を楽しんでいるのでは?

 ほんのりと殺意がわいた♡

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