【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第8章 第七師団
襟元のボタンが一つ外され、外気が入り込む。
けど一瞬だけ冷えた肌は、すぐ温められた。
大きな無骨な手が、そっと鎖骨を撫でたからだ。
「俺は旭川には同行出来ない。また小樽に戻ります。だから――」
だから何すか。
「梢さん……」
キスで後半を省略しないで。普通にヤリたいと言って良いんですよ?
いや良くないか。
でも気がつくと、ぎゅううっと抱きしめられるまま、抱きしめ返していた。
…………
「ん……っ……っ」
両隣の部屋に入院患者は無く、個室病棟はとても静かだ。
部屋の明かりが落とされると、心地良い静寂が周囲を押し包む。
「……っ……ぁっ……」
私は動けない。というか動けない。身体が寝具に縫い止められているよう。
両足の間に足を押し込まれ、足も閉じられません。
「ん……」
身体をガシッと抱えられている。
シャツのボタンは外され、肌着を下ろされています。
そして、こぼれ出た胸を、舌で愛撫されている。
「ん……っ、ぁ、……」
舌先で先端を舐られる度に、恥ずかしさで顔が赤くなる。
……いや流されるな自分。鶴見中尉に物同然に扱われ、月島さんからは病気な人呼ばわりされ、プライドが無いのか。
「月島さん……止め、て……」
うん。月島さんは本当は優しい人だから、私が泣いて嫌がれば止めてくれるはず!
「…………」
「!…っ! ぁ、やぁ……っ……」
違う! 強くしろと言ったんじゃない!
だ、だめ、そこ、強くしないで……。
嫌だという素振りを見せているつもりなのに、なぜかすればするほど、逆に強くされる。
だんだんと先方の息も荒くなり、強く揉みしだかれ、技巧も何もなくムチャクチャに舐められる。
でもなぜか……身体が熱くなる。
いや、ダメダメ。女として、もう少し抵抗しなければ。
こう足を動かして――。
「っ!……すみません」
あれ? 月島軍曹が恥じたように謝った。
え? なに、今、足を必死で動かし抵抗したのが通じた?
うわチョロい! やったー。
「……っ!?……待っ……っ、ぁ、ぁ……」
指が腰からスルッと下着の内に入り、濡れかけた場所を優しく撫でる。
……足をバタバタさせたつもりだったけど、足を絡みつかせて『ねだってる』だけになってたっぽかった。