【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第7章 尾形さん3
お互い、浴衣の下は全裸。
「梢……」
大きな手が脇からまわり、私の乳房をつかむ。
そういえばさっき、浴衣からのぞく私の胸を、チラチラと見てたなクソ猫。
もう逃げるの無理っぽい。半勃ちのが当たってるし。
「……梢……」
横抱きにされ、ついでにキスをされた。お布団まで、もう少しなんだけど。
「尾形さん……」
でもキスに応えてしまう。いつものこと。
…………
…………
――残念ながら途中経過省略!
ほぼ夜明け前まで喘がされた。最後はスタミナが切れ、私はほとんど寝てた。
だが、敵はこっちがマグロだろうが普通に食ってきた。
さすが猫。なんつって。
…………
…………
翌朝。
「またのお越しをお待ちしております~」
宿の人に見送られ、私たちは太陽の下に出たのであるが。
「大丈夫か? 梢」
「…………大丈夫だとお思いですか?」
地獄の怨念をたたえ、私は尾形を睨みつけた。
野郎は悪びれもせず前髪かき上げ、
「西洋人の牧場に行く前に、団子でも食ってくか?」
「その団子の串で、あなたの顎の手術痕を左右一直線に貫きたいっすね」
「そんな真似をされたら、俺は銃でおまえの頬をぶち抜くだろうよ」
私たちはハッハッハッと笑い――公衆の面前でつかみ合いの乱闘になりかけた。
あとみたらし団子は普通に美味しかったっす。
…………
「ここが、西洋人の方のお屋敷ですか……」
とんだ御殿が町の外に建ってたもんだ。
尾形さんに連れて行かれた行き先は、デカい洋館であった。
外には広大な牧場が広がっており、使用人他、牧畜を学んでいる人も多いらしい。お雇い外国人というやつなんだろうか。
私たちは最初、怪しげな行商と思われ、門前払いされかけた。
だが苦肉の策で贈呈した今○タオルが、絶賛を受けた。
そして無事に奥に通してもらうことが出来たのだ。
「私、珍しい品集めてマス。でも他の国のモノでもOK。どの国のモノでも珍しいモノなら何でも買い取りマース」
……アメリカから来日したというそのオッサンは、見事なまでのエセ日本語を使いこなしていた。
「日本のショクニンワザ、素晴らしいデス!」
今○タオルがよほど気に入ったのか、頬に当てすりすりしていた。