【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第7章 尾形さん3
そして。いよいよダメそうだった。
尾形さんもだ。責めが限界まで激しくなり、感情が高ぶるままに抱きしめられ、力の限りに打ち付けられた。
「ぁ、……ふ……ひっ……、……!」
ダメ。もう、限界……っ……!
「……梢……っ……」
そして耳元で熱っぽく名前を呼ばれ、一際に強く突き上げられ、
「――――っ……!」
そして、真っ白になって達してしまった。
数秒遅れ、尾形さんも達したようだった。
「……っ……」
尻や内腿に生温かいものが降り注ぎ、快感の余韻と脱力で、私は膝から崩れそうになる。
それをたくましい腕に、すぐ支えられた。
「はあ……はあ……」
しばらく山猫の腕の中で呼吸を整え、目を閉じる。
そして顔を上げた時、唇がすっと重なったのだった。
…………
なおその後。
「……ぁ、おが、た、さ……きもち、いい……もっとぉ……」
「ほら梢。もっと腰動かせ」
「……ぁ、あ……っ……!――!!」
草むらに座る尾形さんに、ほぼ全裸の格好でまたがる私。
考えてみればお互い久しぶりで、一度や二度で終わるものでもなかったのだった……。
…………
朝の山は霧がかかっていて視界がきかない。
私は気だるいまま双眼鏡をのぞき、隣の尾形上等兵殿に伝えた。
「前方、十一時の方向に目標を確認。敵は雄一頭を中心とした数頭の群れ。風上のこちらには気づいておりません」
「……どこで習ったんだ、その言い方」
そう言いつつ、尾形さんはご自分の肩に銃を乗っける独特の構え方をし、私が教えた方向に銃口を向ける。
そして朝もやの山の中に、銃声が響いた。
…………
牡鹿を抱えた戻ってきた私たちに、アシリパさんは大喜びだった。
「でかいな! やったな、尾形!」
尾形さんは無言で鹿を下ろすと、黙って前髪をかき上げただけだった。
「二人でどこに行ったと思ったら、大したもんじゃないか。山の中でたっぷり英気を養ったからか?」
肉が食えるとあって、牛山さんはニコニコ。
杉元さんはかなり微妙な表情で、私と尾形さんを見比べている。
……二人には色々とバレている気がするが、私の自意識過剰であろうか。