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【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】

第7章 尾形さん3



 闇夜の森林に、衣擦れの音がする。
 私は木の幹に乱暴に身体を押しつけられ、貪るように唇を吸われた。

「おが、たさ……」

 息継ぎする間も無く舌を絡められ、息が苦しい。
 手で押しのけようとすると、その手を取られ、木に押しつけられた。

「黙ってろ」

 脅すように言われ、仕方なく抵抗を止める。

 その間に腰や尻を手が乱暴に這った。
 同意した覚えなど一片たりともない。というか、そもそも意思を聞かれていないのだが、もう流れ確定っぽい。

「ん……」
「…………」

 月の下で、まだ口づけを交わす。

 いや、でもね。でもですね?
 森だし。夜だし。少し離れた場所であなたのお仲間が寝てるし。自重した方が良いのでは?
 尾形さんの胸に手を当て、そーっと拒否の意思を示そうとしたのだが。

「うるせえ」

 そんな横暴な。
 手をつかまれたかと思うと……敵の股間に導かれた。すでに半勃ちである。
 もちろん、まだ外に出してはいないが、とにかく触れと言わんばかりに、無理やり擦らされた。
 ……旅生活で溜まってんだろうなあ。男の人だものね。

「ん……んぅ……」
 大人しく撫でていると、がばっと抱きしめられ、また口を吸われた。
 噛みつく気ですかあなた、と言いたくなる勢いである。
 ちゅ、くちゅ、と舌が絡み合う。唾液を呑み込む間も無く、口の端から流れる。
 手に男性器を握らされ、あと胸がチラッと外に出ててちょい寒い。

「梢……」

 やっと糸を引いて尾形さんが離れた。
 夜なので、顔はよく見えない。でも月明かりの中にかすかに、山猫の狙撃手の瞳が見えた気がした。

「…………舐めてくれ」
「あ?」

 うおわっ!! 足払いをかけられた!! 前のめりに転びかけたのを、奴のズボンにしがみついて支えた。
 て、てめえ! 膝を強打して旅に影響出たらどうしてくれる!!

 ……と思ったところで気がついた。
 私、奴の前に両膝ついて、跪(ひざまず)いてる格好だ。

「ちょっと、尾形さ――」

 抗議しようとし、前髪つかまれた。い、痛っ!! このクソ猫っ!!
 ん……っ!
 抗議しかけのまま半開きになった私の口に……男性器が当たってる。いつの間に。
 こういうときも動きがスナイパーですなあ、おい。

「無理やり口に入れたら……噛みますよ?」
 低く低く言ってみた。

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