【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第5章 尾形さん2
さっきの比では無い激しさだった。
「ダメ、……だって、……あ、ぁ、ゃ、そこ、だめ、……いじめ、ない、で……」
さっきの緩やかさの反動のように、私の膝を抱えて曲げさせ、全身で打ち付ける。
もう音を遠慮せず、身体をぶつけ、腰を動かし、中をかき回す。
「ぁ、あ……だめ……ぁ、あ、……や、……あ……っ!」
こちらも、つま先までビクビクして、ほとんど身動きの取れない中、技巧も何も無く、ただ全力でぶつけられる。
山猫の余裕の顔が、雄の顔になり、ひたすら雌を責め立てるだけになる。
「い、いい……尾形、さん……もっと……っ……あ、っ、や……」
汗ばんだシャツを握りしめ、雄を咥え込んで嬌声を上げる。
何度も何度も、奥を突かれ、そのたびにいやらしい声が出た。
愛液がはしたなく零れ、体液の匂いが狭い空間に充満する。
狭い空間で、互いの欲望に溺れる。
あとはもう、ただ、気持ち良くて、何も――。
「……っ……!……っ……!――――っ……!」
そして――ほとんど身動きの取れない中で、抱きしめられながら絶頂を迎えたのだった。
…………
…………
疲れた。マジでダルい。何もしたくない。
もう夕暮れだというのに、尾形さんの膝に頭を乗っけて、私はゴロゴロしてる。
「何も~したくない~」
「しなけりゃいい。芝居に行ったとか言えばいいじゃねえか」
尾形さんはアッサリしている。
「で~も~」
私の髪をくすぐりながら、襟元のボタンも留めず、気だるそうな上等兵殿。
窓の外の夕日を見ながら、
「そこまで根を詰めるな。日泥の奴らだって下働きが長いんだから飯炊きくらい出来る。たまにはあいつらにやらせろ」
日泥とは夏太郎さんたちのことだ。
「しかしですねえ。私の評判というものが――」
「状況が状況なんだ、誰も今のおまえに無理はさせないさ」
――状況? 今のおまえ?
一瞬、尾形さんの言葉に違和感を覚えたが。
その前にガバッと起き上がって、
「何を偉そうに!! 一切合切! 全部! あなたのせいでしょうがっ!!」
わたくし、尾形上等兵に馬乗りになってポカポカしまくったのであった。
なお、即座に反撃にあったのは言うまでも無い。