【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】
第5章 尾形さん2
「……っ!」
胸をつかまれ、少し手荒く愛撫される。でも悔しいかな、しっかりと反応してしまっている。
「何だ? 痛くねぇのか? 相変わらずお嬢さんは、いじめられるのが好きだな」
失礼な! とっとと終わらせるって言ってたでしょ。もうイケよ!!
「ん……あ、ふ……」
でも読まれたみたいに唇を重ねられる。奥を抉られながら、舌を入れられ、好きに舐られる。ちゅく、ぐじゅ、と音が聞こえた。
好き勝手にされて、悔しい。
でも上も下も、気持ちいい……。
昼間なのに、お世話になっている人の家の中なのに、押し入れに押し込められて、はしたない格好で足を開かされて……。
「……っ……、ん、……おが、た、さ……」
ついに腕を伸ばし、ギュッと抱きしめる。愛情表現というより、より深く咥え込みたくて。
もっと快感を感じたくて……。
「はは。梢はやっぱり、こういうのが好きみてぇだな」
「ぁ、あ、……ぁ、あ……っ……」
汗が浮いた額を撫でられる。
余裕面を殴ってやりたいと思う。
でもそんな尾形さんも、身体が熱くて……カッコいいと思った。
しかし甘い熱は、次の瞬間に冷や水を浴びせられる。
家の戸がガラッと開く音がしたのだ。
続いてドタドタと廊下を歩く音。
夏太郎さんたちが帰ってきたらしい!
「…………っ」
私は尾形さんをつついた。真っ最中だけど、今すぐ出て服を整えればどうにか間に合う。
続きは諦めるか、後日と言うことで――。
だが。
「……っ!?」
山猫はニヤリと笑うと、責めを再開した。
「ちょっと、おが――!」
抗議の声を上げようとしたが、手で口を塞がれた。
そう広くはない家だ。足音は他の部屋を回った後、ほどなくしてこの部屋の間近までやってきた。
『梢さーん、いないんですかー?』
『姐さん、大根、安かったからまとめて買っときましたよ!』
夏太郎さんと亀蔵さんだ。大根のまとめ買い?助かるわー。
……じゃなくって! 姐さん呼ばわり止めろや。あんたら私より年上でしょうが!
…………じゃないじゃない。
ついに二人が部屋に入ってきた。
ほんのすぐ近くで、二人が畳を踏む音が聞こえた。