第13章 本音
二人から真面目に怒られ、シュンとなる。
涙もいつの間にか止まっていた。
「…………。」
頬に残った涙を拭う。二人の顔を見れなかった。
怖い。この場から逃げ出したい。
「座れ。」
フィンクスの声にフェイタンから離れ、ベッドに腰かける。
フェイタンも読書していた時に使っていた椅子に腰を下ろした。
「はぁ。兎に角、話が外れたが、俺らはアリアのことを本気で好きだぜ。アリアは迷惑ならって言ってたが、正直、本音を聞いて、迷惑どころか嬉しかった。俺はな。」
「ワタシもよ。」
フィンクスとフェイタンはいたって真面目だった。
「…………。」
黙って二人の話を聞く。
「俺らもまともに育ってきたわけじゃねぇ。ハッキリ言って、俺らと恋愛するなんて、やめた方が身のためだ。これだけは言っとく。」
フィンクスの言葉はかねてより予想はしていた。幻影旅団に入団した時点で普通と言う言葉からは無縁なのだ。
「普通に恋愛できるなんて元から考えていません。」
フィンクスの言葉に返答する。
「なら、話は決またね。」
フェイタンが、まとめる。
「だな。両思いなら、元からグチグチ悩むこたぁなかったぜ。言っておくが、俺とフェイの間では話が着いてんだ。ようは、俺ら二人から好意を向けられて嫌かどうか、そこが問題だった。」
フィンクスの言葉にフェイタンは頷く。
「はぁ、頭使ったら腹減ってきやがった。お!そういやアリア、この前のあれ、また作ってくれよ。」
「別に構いませんよ。」
フィンクスが緊張感のある話から一気に力の抜けた話をする。私はスッと顔をあげ笑顔でフィンクスの提案を頷く。
「この前のあれて何か?」
フェイタンが問う。
「お、フェイはまだ食ったことなかったか。アリア、この前、飯作ってくれてたんだよ。」
「……フィンクス。抜け駆けはもう、許さないよ。」
「へいへい。分かった。」
2人に連れて料理ができる部屋へ向かう。
「そう言えば、今日は静かですね。」
アジトの中には他の団員の気配がなかった。
「俺らしかいねぇよ。全員グリードアイランドに戻った。」
フィンクスの言葉に疑問を持つ。
「?何のためにですか?」
「徐念師見つけるためね。」
料理を作っている間フェイタンが簡潔に意識がなかった間のことを説明してくれる。