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フェイタンorフィンクス

第14章 封じられた記憶


「前々から何か大切なことを忘れている、気がするです。」

ボーッと宙を見つめ、抜け落ちている記憶を探る。

「??なんの話だ?」

フィンクスが訊ねてくる。フェイタンも不思議そうな表情だ。

「…………念を教えてくれたお姉ちゃんとの記憶が無いです。」

「単純に昔過ぎて、忘れてるだけと違うか?」

「うーんなんと言うか、念を覚えたことは覚えてるのに、何をどんな風に教えてもらったのかがわからなくて、しかもお姉ちゃんの名前もわからないって、可笑しくないですか?」

「それくらい忘れることくらいあるだろ。」

「忘れてるって言うか、霧がかかっているような。」

何か違和感がある。忘れるとはこう言うことなのか?何か引っ掛かりを覚えてしまう。

「ちょっと気晴らしに散歩してきてもいいですか?」

一人になれば何か思い出すかもしれない。

「それは構わんが、フードはかぶってけよ。あと日暮れまでに帰ってこなかったら、探しに行くからな。この辺は治安がよくねぇし、そうだ。これ持ってけよ。」

フィンクスは短刀が装備されたベルトを取り出した。私のパーカーをめくるとベルトを腰に巻つけ、装備させてくれる。

「フィンクスは過保護ね。アリア。後向くよ。」

フェイタンに背を向けると、器用に左右の髪の束を三つ編みし、後に1つでまとめ、ハーフアップにする。それを黒いリボンのバレッタで止めてくれる。

「こっちの方が良いね。」

フェイタンに、綺麗に髪をまとめてもらいスッキリする。

「ありがとうございます!ではいってきます。」

勢いよく部屋からかけると残されたフィンクスとフェイタンは心配そうに彼女の後ろ姿を見つめた。

「誰が過保護だ。」

アリアの気配が仮宿から消えるとフィンクスがフェイタンに発言する。

「黙るよ。フィンクス。」

「あの髪止め、GPSついてんだろ?」

「当たり前ね。アリア、まだ連絡手段もてないよ。居場所が分からないと、助けに行けないね。」

「お前の方が過保護だぜ。」

「うるさいよ。」

そんな二人の嫌な予感は的中するのだった。
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