第13章 本音
「まず、誤解を1つ解かせてくれ、俺らはアリアのこと単純に好きだ。だからこそ、俺はフェイに本気で嫉妬してんだからな。」
「それはワタシの台詞ね!この前と言い、いい加減にしてほしいね。」
口喧嘩が始まる。
「あぁ?あれは、てめぇから喧嘩ふっかけてきたんだろ!人の後でイチャイチャしやがって!アリアの初めてだって譲ってやったのに!」
「あれは当然ね。フィンクスの後は緩くて使えないよ!」
「フェイのが小せぇのが悪いんだろ!」
「フィンクスのがでかすぎなのが、駄目にきまてるね!」
二人の話の方向性が段々おかしな方に向いて行く。止めに入ろうにも、二人のやり取りが生々しく正直ドン引きしている。
「そもそも!いつもいつも俺が引っ掻けてきた女を片っ端からレイプしやがって!」
「はっ!誰とヤろうとワタシの勝手ね!フィンクスこそワタシの玩具、レイプしてたよ。」
「あの、」
そろそろ我慢の限界だった。しかし白熱している二人に私の声は届かない。
「てめぇの玩具が物足りなさそうだったから、俺が相手してやってたんだよ!」
「言い訳が嘘臭いね!」
「てめぇ!殺すぞ!」
「あ!の!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。
「そ、それで、お二人は……」
涙が流れた。思わぬときに二人の過去の女性関係についての事実を知ってしまい。動揺が隠せない。
「……グスッ、うわぁぁああん!!」
『!?』
これまで見てきた静かな泣き方とは違い、フェイタンとフィンクスは驚く。
「どうせみんな!私のことなんて、何かの代わりなんだ!!」
溜め込んでいた何かが溢れだす。両手で顔面を覆う。言うはずのないことまで口から勝手に出てしまう。
「お、落ち着け!」
フィンクスがなだめる。
「代わりなんて誰がいたか?」
頭を優しく撫でながら、フェイタンも加わる。
「言われてない、けど、でも、今の二人の会話からしても、私は二人の、過去の女性のかわ……っ!?」
フェイタンに抱き抱えられた。
「あんまり適当なこと言うと怒るぜ。」
フィンクスの顔はこれまで見て来た中で一番、冷たい表情だった。
「アリア。ワタシ達のこと全然分かてないね。」
「俺らはアリアのこと、今までの奴の代わりだ何て、一度も考えたことねぇよ。」
フェイタンもフィンクスと同様の表情だった。