第3章 再び地獄へ
夢の中で古い記憶がよみがえっていた。あれは、パパとママが護衛と護身術を教えてくれる様にと付けてくれた優しいお姉ちゃん。
「いいことだわさ。これは緊急事態以外は絶対に使っちゃいけないんだわさ。」
変な口調だったことと。やけに年を取っていたことは覚えている。
あれ?
何を教えてもらってたんだっけ?
「これは念って言うんだわさ!」
念?なにそれ?
私、そんなの使えな……あれ?
こうだったっけ?
あ、体がポカポカする。でも痛いのは変わらないよ?
「身の危険があるまで、むやみやたらに、使っちゃダメだわさ。」
あぁそっか、念か。思い出した。何だろう。
念を使うの久しぶり。
お姉ちゃんが居なくなってから、あまり使ってなかったから。
「……は、……を……するときに使うんだわさ。もしアリアに大事な人が出来た時も……するんだわさ。」
あれ?もっと何か大事な能力を教えてもらった気がするんだけど、何だっけ?