第2章 出会い
「そんなはずないね。手応えあたよ。」
三人は首を捻った。
「体の周りの血液は吸えてるけどその子は吸えないみたい。」
「ちょっと待て。俺が見る。」
大柄な男性が少女を抱き起こす。すると三人は目を見開いた。アリアの体は全くの無傷だった。
服には確かに弾丸が通り抜けたあとがあるが、皮膚はきれいに治っている。フェイタンが先ほど切った首もちゃんと繋がっている。
「どういうことね。」
フェイタンはもう一度彼女の体を貫いた。
確かに血は出ている。しかし、フェイタンが手を抜くとその傷がみるみる完治していった。そして、破かれた服だけが、傷の大きさを物語る。
「とりあえず、気ぃ失ってるみたいだし連れて帰るぞ。」
「分かたね。」
「じゃないと、バレちゃうもんね。デメちゃんも見ちゃってたみたいだし。」
三人は兎にも角にもその場を離れることにした。
ウボォーやシャルナーク達と合流すると案の定、気を失って連れてきた少女について訪ねられた。フランクリンは先ほどのことを有りのままに伝える。
「なるほどね。それじゃ~一緒に来てもらうしかないか。」
「シズクの掃除機で吸えないなんて、初めてじゃないかい?」
「そんなことないよ。生きてるものは吸えないし。」
「とにかく、団長にこの子を見せよう。この治癒力が念能力なら団長は喜ぶかもしれないよ。」
シャルナークとマチ、シズクは会話をしながら気がついていたし、その場にいた他の団員も気を失っている少女の周りのオーラを、その量を、明らかにこの年の子供にしては多いことに気がついていた。