第12章 再び
結局、フェイタンがフィンクスの部屋のドアを破壊して入ってくるまでに、少なくとも3回は達していた。
電話の後フィンクスに組しかれ、抵抗もむなしく終わり快楽にのみ溺れ、すっかり意識を手放していた。
「おう、遅かったな。とっくに気絶しちまったぜ。」
フィンクスに裸も同然にされ、体中にはキスマークが見受けられる。そして肩には以前は無かった刺青が彫られていた。そんな彼女の横で、悠々とタバコを咥えているフィンクスに、フェイタンは殺気のこもった視線をぶつける。
「ッチ!フィンクス、どうゆうつもりか?」
「あぁ?どうもこうもねぇよ。先に頂いただけだぜ。」
悪びれもせず、フィンクスは余裕の表情である。
フェイタンはフィンクスの横で気絶している彼女に、自身の着ていた服をかぶせ、肩に担ぎ自室へつれていく。
「ッチ!後で覚えとくね。」
フェイタンは捨て台詞を吐くと自慢のスピードで自室へ急いだ。
フェイタンは部屋にはいるなり、鍵をかけ肩に担いでいる彼女を自身のベッドに横にする。
着せていた服を剥ぎ取ると代わりに毛布をかぶせ、そしてフェイタンは彼女が目覚める前にシャワーを済ませた。
ここ2、3日は帰路を優先しほぼ飲まず、食わずで走っていた。適当にお菓子と飲み物を流しのみ、エネルギーを補給する。
そして、ベッドで眠っている彼女の頭を優しく撫でているとアリアが目を覚ます。
「うっ……。」
目を開けると暗がりのなかで、フェイタンは悲しそうに私の頭を撫でていた。
フェイタンを認識するや彼に抱きつく。
「!?どうしたね。」
「良かった。フェイタンも無事に帰ってきてくれました。」
嬉しさのあまり涙が頬を伝う。フェイタンは少し驚いていたが、直ぐに抱き返してくれる。
「ワタシ今、怒てるね。フィンクスと何してたか?アリアはお仕置き決定よ。」
フェイタンの表情は鬼の形相である。気絶する直前の記憶を引き出し、正直に告げる。
「……キ、ス……っ!」
正直に答えるとフェイタンは私の口をふさいだ。
「っ……他は何ね?」
フェイタンの言葉に一つ一つ答えて行くと、フィンクスと同じことをフェイタンもするのだった。
アリアは、この行為に意味がなくとも、どんなにひどい抱かれ方をされようとも。
もう、フィンクスとフェイタンへの気持ちは変わらないのだと言うことを痛感した。
