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フェイタンorフィンクス

第12章 再び


「確かに、フランクリンが初めてです。」

「ふーん。」

フィンクスの顔が少し残念そうだった。そこから話題がなくなり、無言になってしまう。フィンクスの食べ終わった皿を片付けるため一旦部屋からでる。もう一度、フィンクスの部屋にペットボトルの水を持って、戻ってくと、フィンクスはお風呂から上がったのか、上半身裸で髪を乾かしていた。

「フィンクス、お水をどうぞ。」

「お、気が利くじゃねぇか。」

髪を乾かし終わったタイミングで、フィンクスに水のペットボトルを渡す。フィンクスは勢いよくゴクゴクと水を半分くらい流し込んだ。

「……フェイタン達は無事でしょうか?」

フィンクスが無事に帰ってきた安心感からか、胸の中で気にかかっていた、もう一人の人物のことがポロリと出てしまった。

「何だ。マチから聞いてねぇのか?フェイタン、今日の夜には着くらしいぜ。」

フィンクスが自分のスマホに届いた、フェイタンからのメールを見せる。

「知らなかったです。」

画面の文字を確認し、ホッとする。

「アリアもそろそろ連絡手段を持たねぇとな。」

「それ、マチにも言われちゃいました。不便だって。」

「フェイタン達が帰ってきたら、携帯ショップに行くぜ。金はあるよな?」

「はい。」

フィンクスが提案をしてくれる。その優しさに、安心感に見にたような心地よさがあった。

「今は昼間か。」

フィンクスが呟くと自身のスマホを操作し始める。

「どうかしたんですか?」

私が疑問に思っていると、フィンクスは自身のスマホを耳にあてた。どうやら、誰かに電話をかけた様だ。

「お、今いいか?あぁ?走ってる?じゃ、別にいいじゃねぇか。ちょっと待て、切るんじゃねぇぞ。ほら、アリア、フェイだ。」

フィンクスが隣に座っている私の耳に自身のスマホを当てる。

「フィンクス、ワタシ今、急いでるね。はやく用件言うよ。」

「も、もしもし?」

電話の向こうで聞こえる、7日ぶりのフェイタンの声は変わっていなかった。安心する。

「アリアか?何故フィンクスの電話でアリアの声が聞こえるか?」

「私が、フェイタンを心配してることに、フィンクスが気を気かせてくれたみたいです。」

「事情はわかたよ。今夜には帰れそうね。だからそこで待てるよ。」

フェイタンの声はとても優しかった。
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