第12章 再び
マチとのお留守番は7日間だった。その間にマチとは姉妹のように仲良くなり、旅団のルールやパクや旅団設立の思い出を、マチは寝物語の様に話してくれた。二人で過ごしているとマチの新たな一面も見れた。
それは料理だ。
「マチ。これくらいのゆで加減でいいでしょうか?」
「上等だよ。次はこの人参の皮を剥いてくれるかい?」
「はい!」
マチはほぼ毎日、自炊しているのだ。自分は義理の両親がまだ元気だった頃に、簡単な物しか教えて貰っていなかった。だからそこ彼女の料理の腕は尊敬できた。
「マチは本当にお料理上手です!」
共に作って出来た料理を食べながら、マチに話しかける。
「今日はアタシ何もしてないよ。アリアがほとんどしてしまったじゃないかい。本当、あんたは飲み込みがはやいよ。」
マチが話終わると彼女のスマホが着信音を鳴らす。「ごめん」と一言告げ、確認している。すると彼女は視線はそのままで画面の内容を口に出す。
「シャルから、グリードアイランドは実在した。でもガードが固くて、アイジエン大陸にバラバラに飛ばされたらしい。特にフェイタンとシャルが運がいいのか、一番遠いところに一緒に飛ばされただって、こっちに着くのは3日かかるらしい。後の奴らは明日か明後日には着きそうだってさ。」
「……皆さん。怪我とか大丈夫でしょうか。飛ばされたって。」
「怪我はないみたいだよ。ま、3日もかかんないかもしれないよ。あいつらなら、心配するだけ無駄無駄。」
携帯をしまいこみながら、マチは勇気づけてくれる。
そして、残りの食事を口に駆け込み、食器を洗う。
「アリアもそろそろスマホ買いな。不便ったらありゃしないよ。」
「確かに、考えときます。」
こうして、マチとの日々が終わりを告げていく。
次の日の昼にはフランクリンがアジトに到着した。私が少し多めに作っておいた昼食を一緒に食べた。夕方にはシズク。そして2日目にはフィンクスとコルトピが到着した。
「はぁー、遠かったぜ。」
「フィンクス!お怪我してませんか?腕はちゃんとありますよね。出血もしてないですよね?」
フィンクスを見るやいなや、無事を確認しなければ安心出来なかった。
「俺の時とはえらく対応が違うな。」
フランクリンの言葉にアリアとフィンクス以外が、同感の意味で頷いていた。