第10章 痛み
二人に連れられ、ゲームをプレイして初めて街に入った。
そこで着替えを調達し、宿屋にはいる。
「おい。三人部屋か二人部屋空いてるか?」
フィンクスが店主らしき人物にお金のカードを見せ鍵を受けとる。
「残念だったな。今日は客が多い。悪いが二人部屋を使ってくれ、ごゆっくり。」
フィンクスの後に続き部屋に向かう。部屋にはいるとフィンクスはベッドに腰かける。
「アリアは先に風呂使えよ。走りまわって汗かいたろ。」
「はい。ありがとうございます。」
脱衣所に向かい、服を脱ぐと久しぶりの暖かいシャワーを浴びる。
ささっと済ませ、新しくかった下着とゆったりめのルームウェア(ワンピース)に袖を通す。
「あがりました。」
頭にタオルを乗せ二人の元へ戻る。
「じゃ、ワタシはいるよ。」
フィンクスとは、違うもうひとつのベッドに腰かけていたフェイタンが立ちあがり、脱衣所へ消える。
私はフェイタンが座っていた方のベッドに座り、長い銀髪の水分をタオルに吸わせていた。
「ちゃんと乾かせよ。ほら、こっち来い。ドライヤーしてやる。」
携帯を触っていたフィンクスが、消灯台の下に置かれたドライヤーを手に取り、手招きする。
「はい。」
素直にフィンクスの隣に座ると、暖かい風が髪の水分を飛ばしていく。
「熱くねぇか?」
「気持ちいいです。」
フィンクスは慣れた手つきで私の髪を乾かしてくれた。ちょうど乾かし終えると、フェイタンが風呂から上がってきた。
暑いのか、上半身には何も着ておらず、細いが、鍛えぬかれた見事な肉体が目にうつる。
「フィンクスも入るね。」
「おう。今行く。」
フィンクスが脱衣所へ向かい、フェイタンと二人きりになる。
「あの、フェイタン、質問が。」
「何ね。」
「私のスピードって、やっぱり遅いんですか?」
フェイタンとは修行の事についてしか、話題が思い付かない。
「遅いね。でもシャルよりましよ。」
フェイタンはきちんと評価をくれる。
「鍛えれば、もと延びるよ。」
「本当ですか?」
「念は応用も出来てるね。後は実戦に持ち込むだけよ。」
「は、はい。でもやっぱり念の修行は2年も前になるので、もう一度、見てもらいたいです。」
「わかたよ。」
「お!二人でなに話してるんだ?」
そして、フィンクスがシャワーから上がって来る。