第9章 思い
フィンクス視点
木の上で優雅に寝ていたが、フェイとアリアのキスシーンをこれ妙がしに見せられ、腸が煮えくり返りそうだった。邪魔してやろうとも思ったが、もっといい案が閃いた。
やり返せばいい。
そのチャンスは翌日の朝に訪れ、フェイにもちゃんと見せつけることができた。木の陰から殺気が漏れている。フェイが去ったのを確認し、アリアを残して、フェイのもとに戻った。
「おい、覗き見とはいい趣味してるじゃねぇか。」
「フィンクスこそ、昨日、寝たふりしてたよ。お互い様ね。」
フェイにはお見通しだった。こいつにアリアは渡したくない。
「やっぱり、気づいてやがったか。堂々と見せつけやがって、お陰で俺も気づいたぜ。アリアは渡さねぇ。」
「ワタシもね。フィンクスじゃ、アリアは満足できないよ。残念だたね。」
「じゃ~どっちがアリアを先に手に入れられるか、競争な。」
「挑むところね。」
「だか、先ずは飯だな。」