第8章 now playing
フィンクスにキスをされ、目から何かが溢れだした。
「ッ!………ウッ……………。」
「何で泣いてんだよ。そんなに俺からキスされるのは嫌か?」
「ち、違!」
「じゃ~何でだよ!やっぱり、アリアはフェイタンのことが好きなのか?」
よく分からない。私も自分の心の中が分からなかった。でも、1つだけハッキリするのは二人とも好きと言うことだった。
「わ、分かりません。」
震える声で、答える。
「ッチ!もういいよ。悪かったな。」
そう言うと、フィンクスは私から離れる。
「俺は先に戻ってる。落ち着いたら戻ってこい。」
フィンクスは私の頭を撫で戻っていった。
「何で、何で、こんなに胸が、苦しいの……。」
気づいていた。二人からキスされたときに感じた胸の高鳴り。二人からキスをされても全く嫌じゃなかった、むしろ心地よかったことを、この思いが恋愛的な意味での好きなのも全てだ。
しかし怖かった。二人からそんなつもりじゃ無い、只からかっただけだ。と言われることが、何よりも辛かった。
もう一度、顔を川の水で洗う。
「よし!戻るか!」
頬を両手でバシッと叩き気合いを入れる。
この思いを誰にも気づかれては行けない。その時、心の奥深くに閉じ込めた。
フェイタンとフィンクスのもとに戻ると、フェイタンはとっくに目覚めていた。
「うし!街に飯食いに行くぞ。」
「はい。」
フィンクスの声に返事をする。
私はフードをかぶって二人の後を追うように街へ向かう。