第8章 now playing
気絶した男を森の奥の適当な木に横たわらせる。男のバインダーの中からロープを盗み、拘束する。
数分後、男が目を覚ます。男のバインダーは消えてはいないが、中身はもちろん空だ。
「クソッ」
男は目の前にいるフェイタンを睨み付けた。
「お前の知てるゲームのルール全部吐くね。」
「誰が言うかよ!」
フェイタンは男の手から爪を1枚、剥ぐ。
私達はフェイタンから少し離れた川の近くで一休みをしていた。そこにいても、男の断末魔が聞こえる。フィンクスは始まったかと呟いた。
フィンクスが言うには、フェイタンは拷問が趣味だという。だから、気を付けろと。
しばらくすると断末魔が止まり、フェイタンが軽く鮮血を浴びてくる。男は殺され死体は空に飛んでいった。
「吐いたか?」
「あぁ。詰まらなかたね。」
フェイタンは川の近くで服を脱ぎ血を洗い流す。
何故か血を見ると、怪我をしてないか観察してしまう自分がいた。
じーーーー。
「……アリア。ワタシに見とれ過ぎね。」
「え!?す、すみませんでした。」
私は集中して観察をしていたのか、フェイタンの言葉に驚いてしまった。思えば、今自分がしていた行動は異性の裸を凝視していた。と言うことだ。そう考えると急に恥ずかしくなり、フェイタンに背を向ける。
フェイタンから背を向けて気がついたことがある。それは彼の素顔を見ると、心が少しざわつくと言うことだ。何故そうなるのか自分でもわからない。
「お?どうした?アリアの顔、赤だぜ?」
フィンクスは私の顔を見て指摘する。
「ワタシの裸に見て見とれてたね。」
服を着たフェイタンが突然、背後に立っていた。
ワタシの両肩に手を置き、ニヤニヤしていた。
「マジかよ。アリアは変態だったのか。」
フィンクスもフェイタンの表情を見て何かを察し弄りに加わる。
「ち、違います!怪我をしてないかと、思って観察をしてただけです!」
「へぇ~。本当はフェイに興奮してたんじゃねぇのか?」
フィンクスの言葉に首を左右にふる。顔は真っ赤だ。
「ワタシはいいよ。アリアが望むなら、夜の相手してやてもね。ニヤァ」
フェイタンの顔が近づく。
「おいおい、勿論、俺も混ぜてもらうぜ?ニヤァ」
フィンクスも目の前まで迫ってくる。心臓の鼓動は二人が近寄るにつれ徐々に早まっていた。