第8章 now playing
(ハハ!フェイタンくんのバインダーを覗いてやるぜ。)
男は企んでいた。
(なぁ~んだやっぱりハッタリか。こいつら三人、初心者だせ。それならこいつを誰に使うか。アリアだな。俺の好みだし。)
男はバインダーに入っているカードを一枚取り出す。
「トレースオン!アリアを攻撃!」
「!?」
三人が驚いているのをよそに、光の球が飛んでくる。フィンクスがとっさに私のフード掴み、自分の方へ引き寄せる。
「アハハハ!!避けてもムダムダ!」
男が笑う。フェイタンがフィンクスの手を掴み動きを止める。急に後ろに引っ張られ、少し苦しかった。光の球の痛みに備え、目を瞑る。フェイタンがフィンクスの動きを制止したため光の球が自分に直撃する。
「くっ!!」
一瞬眩しくて何が起こったのかわからなかった。しかし、痛みがなく、静かに目を開ける。
「フェイ!てめぇ!何で止めた!」
「フィンクス。黙るよ。」
フェイタンに動きを止められたことに対して、フィンクスが怒鳴り付けた。それを嗜めるかのように、フェイタンがフィンクスを睨み付けた。
「ッチ!後で説明しろよ。アリア。大丈夫か?」
フィンクスは私のフードを離し、地面に下ろす。
フィンクスの質問に笑顔で大丈夫とつげるとフィンクスも安心したようだった。
「アハハハ!マジでうけるぜ!お前ら3人とも初心者なのは見え見えなんだよ!ほら次は、誰が避ける番だ?」
男が高笑いをする。フェイタンはフィンクスと私にだけ聞こえる声で「もう十分ね。」と呟き男の後ろに周りこんだ。男は状況を把握する間に、地面に倒れこんだ。その男のバインダーは消えずに宙を浮いていた。
「もと情報聞き出してから殺るね。あとカード奪うよ。」
「さっき、俺を止めたのはそういうことかよ。先に言えってんだ。」
「無理ね。言う前にこいつ飛んできたよ。それに、こいつの前で説明したら、ワタシの考えバレバレよ。」
「ッチ!わかったよ。とりあえず、こいつ連れてその辺の森にでも行くぜ。人気があるといろいろめんどくせぇからな。」
そう言うと、フィンクスは気絶した男を抱え、近くの森まで男を運んだ。