第7章 超高額なゲーム
次の日、正装をした二人につれられ、私もマチに借りたドレスを身につけ、オークション会場に向かった。
二人はグリードアイランドという高価なゲームを狙っているらしい。
会場にはいると、長い銀髪が目立つのか、周囲からのねっとりとした視線が気になった。思わず、ポケットに手を入れて歩いてるフェイタンの後ろに隠れてしまう。
「どうしたか?」
「怖いです。」
「ワタシ達の傍にいれば大丈夫よ。」
フェイタンの言葉に少しホッとした。
会場に入り、腰を落ち着けていると聞き覚えのある声が後ろから近づいてきた。2回も人質になっていた子供達だ、と思った瞬間。二人の子供は会場を慌てて飛び出していった。
フェイタンとフィンクスが二人を追う。フェイタンとフィンクスのスピードに病み上がりの自分は追い付けないと思い、静かに席で戻ってくるのを待つ。
隣の通路を通りかかった、何処かの富豪が私に声をかけてきた。
「綺麗な銀髪だねぇ~このあとお茶でもどうかな?」
「い、いえ、連れがいるので、結構です。」
断るとその富豪は自分の自慢話をはじめた。ベタベタとボディータッチが嫌らしかった。対処に困っていると、フェイタンとフィンクスが帰ってくる。
「HEY、おっさん。それはうちの連れだ。勝手に口説くのは止めてもらおうか?」
「クッソ……」
大柄なフィンクスと、目付きの鋭いフェイタンが帰ってくると、富豪は口説くのを諦め、一言呟き何処かに消えた。
「あの、助けていただいて、ありがとうございました。」
「ったく、富豪は子孫を残すのに大変だな。」
「まるで、躾の出来てない獣ね。」
二人の意味がわからず首を傾けた。実はフェイタンとフィンクスは気づいていたのだ。口説いていた富豪の前のズボンの膨らみに。どう言うことか、意味を考えていると。
「お前はまだ、知らなくていいんだよ。」
そうフィンクスが告げ、私の頭をわしゃわしゃと撫でる。もちろん髪がぐちゃぐちゃになり、手ぐしで直しているとオークションがはじまる。
結局、バッテラと言う富豪があり得ない高額な価格でグリードアイランドを落札した。