第6章 生と死2
パクは弾丸を放つと後ろへ倒れた。
とっさにフェイタンをみる。
「フェイタン!だ、大丈夫??」
焦った。
フェイタンの額には、弾丸は入っておらず、傷もない。しかし、弾丸が放たれてすぐに、フェイタン達は苦しみ出す。
「フェイタン!フィンクス!」
焦る私とは裏腹に、フェイタンやフィンクスはすぐに苦しみから脱し、ケロッとしていた。
「大丈夫だ。心配すんな。パクの能力、メモリーボムだ。パクの記憶が飛んできただけだから、怪我はねぇよ。」
「落ち着くね。」
私をなだめる二人は冷静だった。二人の無事を確認すると、ほっとし私は倒れたパクのもとに駆け寄った。
すでにシズクがパクの元にいる。
「死んでる。」
シズクの口から死と言う言葉が聞かれた。
パクの死体を前に視界が揺らいだ。涙が止まらず、パクの顔を涙が濡らす。
「ウゥグッ……ヒッグ……」
「アリア。泣いてるの?」
シズクが私の顔を覗きこむと、その目には大粒の涙がたまり、溢れかえっていた。
「イヤァァァア!!!」
パクの死体にすがり付く、無理を承知でパクの心臓に両手を押し付け念を使う。
それを止めに入ったのは、フィンクスとフェイタンだった。
「やめろ、治癒しかできないお前には蘇生は無理だ。」
「邪魔しないで!!やってみないと、分からないだろ!!!」
興奮し、口調が変わってしまっていた。フィンクスの制止も聞かず、念をパクに使い続ける。しかし、パクは全く動かない。それどころかどんどん冷たくなっていくのが分かる。
「はぁ、世話が焼けるね。」
フェイタンが呟くと私の延髄を手刀で打った。