第6章 生と死2
マチの怪我を治療している際に、パクを追うのは危険と判断された。治療を中断し鎖野郎の指示のとおり、アジトへ戻る。
「マチ。さっきの続きを……」
マチに近より、治療の続きをしようと手を伸ばすとマチはその手を制止した。
「もう大丈夫だよ。悪いねアリア。それに、その能力、余程の枷がないと使えないだろ?」
マチは疑問をぶつけた。
「大丈夫です。確かに治療している時は、私もマチが感じた痛みを2倍にした痛みを体験しますが、大丈夫です。慣れましたから。」
笑顔を久しぶりに作ってみたが、上手く笑えているか自分ではわからない。
パクがアジトに戻ると、その条件に再びフィンクス達が反対する。それをフランクリンが仲裁した。
パクは黒髪と銀髪の子供を連れて再び出ていった。
私はフェイタンの元に戻る。
「アリア。どうしたね。顔青いよ。」
「あ、少し、疲れてしまったみたいです。」
まだフェイタンと話すのは緊張していた。それは慣れていないこともあるが、それよりもフェイタンの勘の良さが怖かった。バレたら使えないと判断され殺されるかもしれない。そう思った。
「なら休むよ。」
フェイタンが私の肩を支え、頭を自らの太股の上へ倒した。つまり、膝枕をしてもらっている。
正直、驚いていたが、もっと驚いていたのはフィンクスだった。
「へぇ。あのフェイがまさか膝枕してやるとはな。」
「フィンクス黙るね。本に集中出来ないよ。」
「チッ……わかったよ。」
しばらく休むと、フェイタンに起こられる。
「アリア。パク、帰てきたよ。」
睡眠は取れなかったが体は休めた。体を起こし、パクに近寄ろうとすると、フェイタンが私の腕をつかみ制止する。
「??」
「団長がいないね。」
なぜ制止するのだろうと疑問に思っていると、フェイタンが指摘をした。その言葉の通り、団長はそこにいなかった。フィンクスがパクに詰め寄る。
「ここにはこれないわ。」
真面目な口調のパクはまるで初めて私を問いただした時の様だった。
フィンクスがキレる。
パクはフェイタン、フィンクス、マチ、ノブナガ、フランクリンと順に名を呼び銃を構えた。
自分はフェイタンの服を掴み、後ろで震えてることしかできなかった。そして銃から弾丸が放たれる。
フェイタンを庇おうと動くが、フェイタンが私を制止し間に合わない。