第5章 生と死
「説明しろ。」
ホテルにはいるとフィンクスが開口一番に問う。
「停電したの。」
「その隙に団長が拐われた。」
「鎖野郎からのメッセージがこれ。」
シズク、ノブナガ、コルトピが順に説明する。
「なぜすぐ追わなかたか?」
フェイタンが質問をする。私はふと寒気がし、一番、身近にいたフェイタンにしがみつく。
迷惑かとも思ったが、フェイタンは気にしていなかった。
「マチとパクがやられた。」
ノブナガが答える。その返答にすぐマチとパクに視線を向けた。出血こそしてないが、怪我の部位を押さえている。その二人の近くには、例の二人の子供がいた。
「で?」
フェイタンが質問をする。
「やつにはプロハンタークラスの仲間がまだいる。」
再びノブナガが答える。
「で?」
続けざまにフェイタンが質問をする。
「メッセージの裏をよく読め!」
ノブナガがキレる。
「こいつらには人質のかちが、あるって証だ!下手に動いて、こいつらに逃げられたらアウトなんだぞ!恐らく団長が捕まってるのは、ウボォーの力でもちぎれない鎖だなんだ!自力脱出は難しい!」
キレながらも説明するノブナガ。
「恐らく?」
フィンクスが答える。
「言ったろーが停電!目がなれたときには団長はもういなかった!とにかく動ける状態じゃなかったんだ!」
ここまで言うとシャルナークが場を沈める。
するとフィンクスの携帯に団長から着信が入る。
それを気にしつつ、緊迫したこの状況を邪魔しないよう、自分ができることをする。そのためにフェイタンの元を離れ、マチとパクのもとに向かった。
「怪我を……」
近寄ると、見せてという言葉の前に、パクは察し、傷を指で示す。
パクの怪我を治療していると、パクに携帯が渡る。
パクには取り敢えず応急処置だけ施し、マチの怪我をみる。
聞き耳をたてようとしていたフェイタンの舌打ちが聞こえたが、マチの怪我の深さをみて、酷いと素直に思った。他の団員が、出ていったパクを追うか追わないかで言い争う。しかし、私はマチの怪我を治すことだけに集中する。