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フェイタンorフィンクス

第5章 生と死


フィンクスの携帯がなる。フェイタンが本を仕舞い込み私を抱き抱え、地面に下ろす。

「あ、ありがとう、ございます。」

「別にいいね。」

「フェイ。アリア。シャル。行くぞ。」

フィンクスは携帯を仕舞うと召集した。
入り口まで行くとフィンクスが思い出したかのように話す。

「お!アリア。また抱えていくか?セメタリーの時みたいによ。」

「い、いいえ、多分、今度は大丈夫です。あの時は御手数おかけしました。」

慌てて遠慮する。なんでだ?という表情のフィンクスに簡単に説明する。

「あの時は、そのスーツで動きにくくて、あと、くつのサイズ合ってなくて、走りにくかったので、遅かっただけなので、今回は大丈夫です。」

「へーそうなのか。」

「何?何の話?」

シャルナークが話に混ざる。
そうこうしているうちに、フィンクスの携帯が再び鳴る。電話に出てすぐに、切迫しているフィンクスの表情から、ただ事ではないと察す。

「団長が拐われたらしい。ベーチタクルホテルだ。急ぐぜ。」

歩道から一気に木の上やビルの側面を翔る。
動きやすい服装になり、走る速度が格段に上がる。その違いはフィンクスとフェイタンが一番感じた。以前とは動きのよさが桁違いだった。

「ヘッ!やるじゃねーぇか!おーい!シャル!てめぇが遅れてどうすんだ!」

「うるさぁ~い!」

フィンクスが後方にいる、シャルナークに怒鳴ると、シャルナークもフィンクスに言い返す。しかし、服装が変わってもやはり、疲労感が強かった。久しぶりに本気で走るからだろうか、息はすぐに上がる。そして体は昨日から、鉛のように重かった。それを深呼吸で、紛らわしつつ、フィンクスとフェイタンの後を必死に追った。そしてようやく、目的のホテルに4人は着くのだった。
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