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フェイタンorフィンクス

第5章 生と死


目が覚めると自分はフェイタンに寄りかかって眠っていた。

「起きるね。」

フェイタンの声で体を起こすと他の団員の姿が見えない。不振に思い、フェイタンに疑問を投げ掛ける。

「皆は?」

「飯食いに行たね。ワタシ達も行くよ。」

フェイタンに手を引かれ出口へ出ると、フィンクスが待っていた。

「遅いお目覚めだな。ほら、行くぞ。」

適当な店に3人で入ると食事をした。久しぶりに感じるその味に何処かホッとした。食事を終えるとフィンクスは私とフェイタンを連れて服屋にはいった。

「ほら、好きな服買えよ。昨日の礼だ。」

フィンクスの言葉に驚いたが、義理堅い男なのだと感じた。そして、急いで服を探した。

アジトに戻るとスーツ姿から黒のパーカーとワインレッドのショーパンにニーハイというラフな格好に着替えた、私を見て団員達が「いいね。」と声をかけてくれた。そして、本を読んでいるフェイタンの横に座った。昨夜フェイタンに寄りかかり眠ったときに気づいたが、彼の肩はとてもしっくり来る。フェイタンも嫌がる素振りも見せず肩を貸す。
私はいつの間にか眠りについていた。

次に目を覚ましたのは、シャルナークの緋の目という言葉でだった。
そして、何故か奪った競売品の中から緋の目を探す事になっていた。理由も気になったが、私にはきっとまだ、関係ないと何処か他人事になり、フェイタンに付いて私も探す素振りをみせる。

「あったよ。」

シズクの声だ。そしてコルトピが触れる。私が眠気でボーッとしている間に団長が数人引き連れて出ていった。

「フェイタンは行かないんですか?」

「ワタシ達、待機よ。アリア。来週はワタシとフィンクスとシャルと一緒よ。」

そう、いい終わるとフェイタンは本を読み出した。横から覗いて読んでいるとフィンクスが声をかける。

「なんだ、本読みてぇのか?」

「あ、いえ、少し気になっただけです。」

「フェイ。読ましてやれ。」

「はぁ。わかたよ。」

フェイタンは、私を後ろから抱き締めるような格好で自らの足の間に私を座らせた。フェイタンは器用に私の肩から顔をだし体を預けてきた。
思わぬ体勢に、恥ずかしくなるが、文字を追っているとそれも忘れた。

「読めたか?」

「はい。」

返事をするとページをめくってくれる。
私は背中に感じる温もりを心地よく思っていた。
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