第5章 生と死
日が沈み、暗闇が街を包む。私はフェイタンとフィンクスと行動を共にしていた。
そして、団長からの命令。
セメタリービルへ集合。派手にやれ。
「お前、遅いよ。」
「す、すみません。」
フェイタンに睨まれる。
私は二人に追い付くのがやっとだった。自分はその年の子供にしては、走るスピードは異常だったが、服装が問題だった。スーツと言うものはこんなに窮屈なのか、そして、靴は彼女の足のサイズに全くあっていなかった。そのため、スピードが本調子に出ない。それどころか、無駄な所に力をいれているため疲れる。
「ハァハァ……ハァハァ」
息が上がる。額に汗をかく。
「チッ。すぐそこだっつーのに、これじゃ何時までたってもつけねぇぞ。」
フィンクスに嫌みを言われたが、謝罪の言葉も出なかった。それほど疲弊していたのだ。
「ハァハァ。ハァハァ。」
「おい!」
フィンクスは怒鳴り声と共にこちらに飛んでくる。殴られると衝動的に思い、目を瞑り身構えた。しかし、衝撃がない。その代わりに浮遊感がる。
「暴れたら、離すからな。」
「??」
目を開けると、私をフィンクスが抱えていた。何故かと頭を悩ませていると、はるか、後方からの視線に気づいた。反射的にフィンクスの頭をみると、赤いレーザーサイトがフィンクスを狙っていた。
「フィンクス!危ない!」
「あ?」
先ほどのフィンクスからの忠告を忘れ、フィンクスの頭にしがみつく。
プスッ。
左の肩に弾丸が埋まる。力が抜ける。痛みが広がる。
「ッチ!おい!フェイ!狙撃されてる。物陰に隠れるぞ!」
「わかたよ。」
二人の動きは素早かった。
「おい!大丈夫かよ。」
「は!やっと役に立ったよ。そいつ。」
肩の痛みに耐え、表情を歪めていると二人の会話が聞こえた。
「す、すいま、クッ……」
「チッ!フェイ!アリアのこと頼んだぜ。狙撃してる奴をどうにかしてくる。」
「はぁ~わかたよ。」
フェイタンの返事を聞くとフィンクスは闇に紛れた。
私は困っていた。弾丸が埋まっており、全く治癒出来ない。その事に気がついたのか、フェイタンが声をかける。
「アリアどしたね。傷、全然治てないよ。」
「クッ……あの、フェイタンさん、肩に、弾丸があって、それを……グッ……取って貰ってもハァハァ。」
「仕方ないね。肩見せるよ。」