第2章 1:00
レンは、鉛のように重たい足をフェイタンが眠りについてる部屋へと足を受けていた。
なぜ鉛のようかと言うと……レンの手にはホラーDVDが握られているからだ。
コンコン、コンコン
フェイタンの部屋の扉をノックする。
「チッ。何ね。今、本がいいとこよ。」
「あのね。フェイタン。これをその一緒に見てくれないかなぁ~ってね。思ってね。」
レンに見せられた表紙はおどろおどろしい物だったが、フェイタンはふーんと言った様子だった。
「はやく入るね。」
「ありがとう。」
少し何だか照れくさかった。部屋に、はいるやいなやフェイタンは質問した。
「それ、誰にもらたか?」
「え、あ。フィンクスがフェイと観てこいって面白かったから。」
「あー。フィンね。」
そう言ったフェイタンはなるほどと納得した。なぜならフィンは無類の映画好き。彼の評価は確かだと思うフェイタンだった。
「で?それで何故ワタシの部屋に来るか?」
「だって他の皆ほぼ寝てるし、シャルは情報調べてて手が離せないみたいだし、ヒソカは傍に居るだけでホラー出し、だからフェイタンしかもう……。」
つまり、自分は余り物と言う訳だった。その事実に少しイラっとするフェイタンだった。
レンから受け取ったDVDはいわゆる悪魔に取り憑かれる系のホラーだった。
そして、フェイタンは知っていた。レンはホラーが大の苦手なことに。
「レンは、ホラー苦手なのに、何故みるか?」
「え、嫌、フィンクスが無理矢理押し付けてきて……。」
レンは、視線を反らした。これは嘘をついている。フェイタンは確証した。
「断ればいいね。」
「えっと……断れなくて。」
「何故か?」
「フェイタンと映画観たくて……ハッ!?」
最後まで言い終えて気づいた。自分はフェイタンに本心を見抜かれてしまったと。
大方、ワタシと映画が観たくて、フィンにおすすめを聴いたのだろうとフェイタンは考えた。しかし聞く相手が間違いだった。フィンはアクションかホラーしかほぼ観ない。そのフィンは絶賛只今ホラーにドハマり中だった。
「まぁ。別にいいね。ただし、部屋は暗くするよ。」
そう言うとフェイタンは部屋の電気を消し、テレビの明かりだけにした。