第1章 0:00
3人がアジトに戻ってきたのは真夜中の正午。
シャルナークと別れた二人はフェイタンの部屋に向かう。
なぜフェイタンの部屋かというとレンは人肌がないと深く眠れない体質だからだ。フェイタンは彼氏と言うことでいつもレンとはベッドを共有していた。
「う~ん。また眠くなってきた。」
「レン。まだ寝たらダメね。」
ベッドに座ってウトウトしてるレンにフェイタンは声をかける。
「分かってるよ。先にお風呂入ってくる。」
重い腰を上げ、フラフラと部屋の脱衣場へ歩いていく。レンを見届けた後、フェイタンは自身の風呂の準備と探し物をした。
「確か、ここに仕舞たはずね。」
フェイタンはクローゼットの中の、要らないものをまとめた段ボールを探り、正方形の小さな箱を取り出す。中を開けると大小様々なサイコロが入っている。
「あー。あたね。」
その中から2つの小さな赤と青のサイコロを取り出す。
それを服のポッケに仕舞、探っていた段ボールをクローゼットに戻す。
「フェイタン、あがったよ~。」
「わかたよ。」
丁度レンも風呂から上がり長い銀髪の水分をタオルで拭き取っていた。
フェイタンは軽く返事をすると準備しておいた着替えをつかみ風呂に入る。
「ふぅ~。さっぱりした~。」
レンはベッドに座り髪の水分を粗方取るとドライヤーをかけた。フェイタンは風呂をささっと済ませ、先ほど脱いだ服のポッケに仕舞ったサイコロを取り出し、手に握る。脱衣場から出るとレンもドライヤーをOFFにした。
「フェイタン。ドライヤーどうぞ。」
フェイタンはレンからドライヤーと引き換えにサイコロを渡す。
「しばらく持てるね。」
レンは、なにこれと言わんばかりに2つの赤と青のサイコロを見つめた。まさかこのサイコロがレンを羞恥に追いやるとまだ誰も知り得なかった。