第9章 練習試合
「オレは負けねぇスよ。誰にも黒子っちにも。」
先程までの余裕のある表情とは一変、鋭い目付きで攻撃的になった。
『(やっぱり一筋縄ではいかないか…。)』
黄瀬の変化に火神や日向達も警戒の色を強める。
『(ここからは第1Qと同じランガン勝負になる…!!)』
その後、誠凛は再び離されるが更にやり返し同点に戻す。
それが何度も繰り返された。
必死で食らいつく誠凛に、海常は引き離そうと必死だった。
「っの…!!しぶとい…!!トドメさすぞ!!」
試合時間、残り15秒。
「時間ねぇぞ!!当たれ!!ここでボール獲れなきゃ終わりだ!!」
「おお!!!」
日向の喝にチームが攻めの姿勢に入る。
そんな中、黒子が火神を引き止めた。
「火神君、一瞬いいですか?」
「なんだよ?」
「ここ獲れれば…、黄瀬君にコピーされない手がもう一つあります。」
試合時間、残り10秒。
『(もう、誠凛に延長を戦う体力はない…!決めるとしたらアレしかない!!)』
「守るんじゃダメ!!攻めて!!」
リコもコート上の選手に向かって叫ぶ。
そんな願いも虚しく、体力を浪費していた日向の足がとうとう限界を迎えた。
その隙を見て笠松がシュートモーションに入る。
バシッ!!
だが、放たれたボールは火神の手によってブロックされた。
そのボールを受け取った日向がゴール下に走っていく火神に思い切りパスを投げる。
火神がそのボールをキャッチし、その後ろを黒子が追いかける。
しかし、その前に立ち塞がったのは黄瀬。
「黒子!!」
火神が黒子にパスを出す。