第9章 練習試合
【誠凛 27-35 海常】
ベンチに戻った火神は自分が考えた作戦をチームメイトに話す。
「…なるほど、……うん。いけるかもソレ。」
『火神君もやっと頭冷えたみたいだね!』
「いやオレは最初から…、」
「超ムキになってたよ!」
ウンウンと頷くリコと一花に火神が言い訳をするが、先輩二人が横からツッコむ。
「けど黒子君との連携が大事よ、これ。できる?」
「…う、なん…とか…。」
リコの指摘に火神が微妙な返事をした。
ビスッ!!
「きょっ…!!」
そんな火神に黒子と一花が両隣から脇腹にチョップを入れた。
「テメ…何いきなり、……つか、一花まで!!」
プルプルと痛みを堪えながら火神は二人を睨みつける。
「黄瀬君を倒すんでしょう?」
『そんな弱気でどうするの?』
二人のごもっともな指摘に火神は言葉を詰まらせる。
「ったりめーだ!!!」
ズビッ!!
お返しとばかりに火神が黒子の脇腹にチョップを入れる。
「〜〜〜〜っ…!なんでボクだけ…。」
「一花にできるわけねーだろ!」
「んじゃま…」
そんな三人のやり取りに気が引き締まったのか、先程より選手達の顔つきが変わった。
「逆襲よろしく!」
『皆さん頑張ってください!!』
((((可愛い〜…。))))
「男共!!ボケッとするんじゃない!!一花ちゃんは渡さないわよ!!」
「「「行ってきます!!」」」
『えっ。』
リコからの喝を受けた誠凛は勢いよくコートに戻って行った。