第9章 練習試合
選手が揃い、練習試合が始まろうとする。
一花はコートに入ろうとする火神に話しかけた。
『火神君、一泡吹かせてやってね。』
「おう、いっちょかましてくるわ。」
『できることなら私が直接倒したいけど、それはできないから。もう、ゴールの一つや二つぶっ壊しちゃって!』
「お、おう…。(こいつ、怒ると意外に口悪いな…。) 」
『行ってらっしゃい!』
一花はそう言うと、ポンと火神の背中を押した。
「っしゃ!」
火神もそれに応えるように気合を入れ、整列に向かう。
コートの中央には誠凛、海常それぞれのレギュラー陣が揃っている。審判も試合を始めようとするが、誠凛チームがどうやら一人足りないように見えた。
「…や、あの。だから、始めるんで誠凛早く5人整列して下さい。」
だが、それは思い違いで…
「あの…、います5人。」
「「「…おおぇ!!?」」」
存在が気づかれなかった黒子が自己申告すると、審判も含めて海常の選手が驚きの声を上げた。
『(久しぶりだなぁ、この感じ…。)』
一花も中学時代に見慣れた光景に少し笑みをこぼした。
「では、改めて誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます!礼!!」
「「よろしくお願いします!!」」
いよいよ試合が始まった。