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【黒バス】バスケの神様

第8章 訪問者




「っと!?」


私にぶつかる寸前で黄瀬君が受け止める。


バチィ!!

「った〜。ちょ…何!?」


ボールが飛んできた方を見ると火神君が好戦的な目で黄瀬君を睨みつけていた。


「せっかくの再会中ワリーな。けど、ちょっと相手してくれよ、イケメン君。」

「火神!?」

「火神君!!」

「(つーか一花にベタベタすんな。)」


火神君は初めて会う"キセキの世代"に興奮しているようだった。先輩達の注意の声も聞かず1on1を申し込む。
そんな火神君に黄瀬君は嫌な顔をした。

「え〜そんな急に言われても…。あー、でもキミさっき…。」

何かを思い出したように考え出す。
そして、了承の言葉を伝えた。


「よし、やろっか!いいもん見せてくれたお礼。」

『「………!」』


思わずその言葉に反応してしまう。

ブレザーを脱ぎ、ネクタイを外す黄瀬君を見て火神君はとても嬉しそうだった。

まずいかもしれない…。

しょうがないとばかりに溜息をつくリコ先輩に駆け寄ると、そこにはテツ君もいた。


『リコ先輩。』

「マズいかもしれません。」

「え?」


何を言っているか分からないという表情のリコ先輩。

「ただの1on1でしょ?何も問題ないじゃない。」

『いえ、それは"キセキの世代"ではなければの話です。』

「え…?」

『見てれば分かります。』

リコ先輩は私の言葉通りに火神君達の1on1を見る。
その瞬間はすぐに訪れた。







「…なっ!?」



『彼は見たプレイを一瞬で自分のものにする。』


今の黄瀬君のプレイは、ついさっき火神君が練習で使っていた素早い切り返しそのものだった。

火神君も慌てて反応しブロックするために飛ぶ。



だけど…、







ドキャ!!






「がっ…!?」


『(嘘っ、いくら不完全な体制だったとはいえ、火神君がパワーで負けるなんて…。)』




黄瀬君のダンクを止められなかった火神君は、その圧倒的な力に尻餅をつく。
その様子を見ていた部員の皆さんやテツ君、そして私も唖然とする。





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