第7章 日本一に
「…で、なんだよ?そうじゃない…オマエのバスケでキセキの世代倒しでもすんのか?」
「そう思ってたんですけど…。」
「マジかよ!?」
黒子の言葉に軽く動揺する火神。
『それより、この学校で私たちは火神君と先輩の言葉に感銘を受けたの。』
ー「キセキの世代」全員倒して日本一になってやる。
ー全国目指してガチでバスケやること!
「今ボクがバスケをやる一番の理由は…君とこのチームを日本一にしたいからです。」
『私も、誠凛バスケットボール部を全力でサポートしたい。』
二人共、火神の目を見て力強く宣言する。
その言葉に火神はよくそんな恥ずかしいセリフばっかり言えんな、と少し気恥ずかしそうに戸惑い、席を立つ。
「てか、どっちにしろキセキの世代は全員ぶっ倒すしな。」
ー「したい」じゃねーよ、日本一にすんだよ!
火神の言葉に目を丸くする二人。
『…。ふふ、そうだね。日本一になろう!みんなで!』
「おう、その勢いだ。頼りにしてるぜ、マネージャー。」
『うん!任せて!』
「あの、僕を仲間ハズレにしないでください。」
そんな黒子の肩を掴み、小さな声で忠告する。
「オマエ…!今いい雰囲気だったのにやめろよ、そーゆーの!」
「そうゆうのって、どういう意味ですか?」
本当は気付いているくせにしらばっくれる黒子。
黒子の様子を見た火神は埒があかないとばかりに大声を出す。
「だぁー!!もういいよ!一花!!」
『何ー?』
「送ってく。」
『えっ、悪いよそんなの!』
「いいんだよ、遠慮すんな。」
強引に一花の腕を掴み、出口へと向かう。
「黒子、それ残りやる。」
『ちょっ、火神君!』
「じゃあな。」
『ちょっと!…バイバイ!テツ君!』
「はい、気を付けて。
…羨ましいですね、火神君は。」
誰に向かうでもないその呟きは静寂の中に溶けていった。