第6章 幻の6人目
試合終了。
結果は一年生の勝ち。
二年生は完敗と言った表情で少し悔しそうに笑った。
『皆さんお疲れ様です!!』
急いで部員の皆さんにドリンクを配る。
「サンキュ、マネージャー。」
日向先輩にポンポンと頭を軽く撫でられる。
『は、はい!とんでもないです!!』
「そんな謙遜すんなって。」
日向先輩としばらく話していると、誰かにガッと肩を掴まれる。
「おい、一花。」
『か、火神君!』
「俺にもくれよ…。」
『あっ、ごめん。…はいどうぞ!』
「サンキュ…。」
火神君はドリンクだけ受け取るとそそくさとその場から立ち去る。
『火神君…?』
「ハァー!火神もまだまだ青いねー!」
『どういう意味ですか、先輩?』
「俺の口からは言えねぇよ。」
『…?そうですか。」
「(三浦って案外鈍感なんだな。)」
何はともあれ、これで誠凛バスケ部は大きな戦力を手に入れた。