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【黒バス】バスケの神様

第6章 幻の6人目




ーーー試合時間 残り3分


(てかもらっても何ができんだよ?せめてボールとられんなよ〜?)


同チームのパスがしょうがなく黒子に渡る。
だが、その瞬間ボールはゴール前にいた仲間の元へと移動した。


「……え、…あっ。」


突然のボールに戸惑うがそのままゴールへと放つ。

そのシュートは決まり、一年に得点が入った。


「…え。」

「……な。」

「入っ…ええ!?今どーやってパス通った!?」

「わかんねぇ、見逃した!!」


知らない間に点を取られていた二年達が騒ぎ出す。
試合を見ていたリコも戸惑っていた。


(この違和感は何…?もしかしてとんでもないことが起きてる…!?)


一花はたった一人、先程のプレイを笑顔で見つめていた。

『さすがテツ君…。』


そして一年の攻撃は止まらない。
次々に点差を詰めていった。


「どーなってんだ一体!?」

「気がつくとパス通って決まってる!?」


ここでリコはようやく黒子のバスケのタネに気付く。


「………!(存在感のなさを利用してパスの中継役に!?しかもボールに触ってる時間が極端に短い!!)

…じゃ彼は、まさか…元のカゲの薄さを…もっと薄めたってこと〜!?」


『その通りです、リコ先輩。』

「一花ちゃん!」

『"ミスディレクション"って知ってますか?』

「いいえ、知らないわ。その、ミスなんちゃらがどう関係してるの?」

『ミスディレクションとは手品などで使われる人の意識を誘導するテクニックです。』

一花はよく分からないといった顔のリコに詳しく説明をする。

『ミスディレクションによって自分ではなくボールや他のプレイヤーなどに相手の意識を誘導するんです。

…つまり、もっと正確に表現すると黒子君は試合中"カゲが薄い"と言うより自分"以外"を見るように仕向けている。』

「なっ…!?」

黒子のプレイをコートで体感した火神も思わず驚く。

(これが黒子の…!!)

「元帝光のレギュラーでパス回しに特化した見えない選手…!!もしかして彼って…!!」

『リコ先輩の思っている通りです。黒子君は帝光中"キセキの世代"幻の6人目と言われていました。』

「噂は知ってたけど実在するなんて…!!」


それからリコの興味の目は一花に向けられる。



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